Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.725 caratteri · 298 schermate

Aozora Bunko

堂に着いて見ると、中は一面の護摩の煙、本尊の前に堂守の優曇法印は、揉に揉んで祈っている最中でした。

一歩踏み込むと、三間四面の堂の中は、蔽うところなく平次の眼に晒されます。

「あッ」

驚いたことに、堂の入口敷居から土間にかけて、一面の血潮ではありませんか。

「法印、これはどうした」

平次の声は思わず峻烈になりました。

「あ、銭形の親分、ちょうどいいところだ、――仏罰の恐ろしさ、これを見て下さい」

優曇法印は立ち上がって、護摩壇の前を指します。

「…………」

平次はもう驚きの声も出ませんでした。そこには荒筵の上に仰向けになって、碧血に染んだ男の死骸が横たわっているのです。よくよく見ると、相好は変っていますが、紛れもない浪人梶四郎兵衛、娘のお勇と同じように、胸に両刃の剣を突っ立てられて、怨み多い洞ろな眼に、格天井の下手な丸龍の絵を睨んでいるではありませんか。

「梶四郎兵衛は、私の宗旨を嘲り笑った許し難い法敵じゃ。こうなるのも、仏罰で致し方もない。お解りか、平次どの」

優曇法印はそう信じ切っているのでしょう。狂信者らしい眼を光らして、ニタリニタリと得意らしく笑うのです。