Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.725 caratteri · 298 schermate
「番台に人は居なかったね」
「え」
「女湯の天窓が開いて、陽が射していたのを知っているかい」
「いいえ」
「有難う。それだけ言ってくれたのでも、大助かりだ――ところでもう一つ、お前は丁子風呂へ行く刻限は大抵決っているのかえ」
「大抵未刻半前に行って申刻まで居るんですが、あの日は旦那が釣の帰りに寄るはずだったのでいつもよりは半刻も早く帰りましたよ。丁子風呂を出たのは精々未刻半頃だったでしょう」
「フーム」
「で、もう一つ、これは大事の事なんだが、お前ぐらい綺麗だと随分怨まれる口も多いだろう。今まで何かの都合で別れた男で、うんと怨んでいる者はないだろうか」
平次の問は次第に核心に触れて行きます。
「まア、そんな事を。ホ、ホ、ホ」
お才はこの期に臨んでも品を作らずにいられない女だったのです。
「冗談じゃない、大真面目だよ。たとえば田舎に居る時、猟師に思われたとか、未練のある男を、無理に振り切った覚えがあるとか」
「まア親分さん、切れた男は随分ありますが、怨まれる筋なんかありゃしません。これでも江戸で生れたんですもの、まさか猟師とはねえ」
「そうか――丁子風呂の丑松も元は猟師だが、あの男はちょいちょい変な事をしなかったかい」