Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.725 caratteri · 298 schermate

Aozora Bunko

物の安倍家重代の宝物、郷義弘の短刀――金銀作りの見事な拵えのまま、手文庫に納めて、用人石田清左衛門に預けました。

それは、繰り返して言いますが、駿府に出発しようという前日の事でした。忙しい中ながら、手文庫の掛け紐の上に、一寸幅ほどに断った美濃紙を巻いて、主人丹之丞と石田清左衛門が封印をし、そのまま、人知れず清左衛門の長屋へ持って来て保管して置いたのです。

ところが、主人丹之丞の用事が済んで江戸へ帰るという三日前、所用あって外出した清左衛門が帰って来てみると、留守番をしていた下男の寅蔵は、自分の部屋で、梁に首を吊って自殺し、用箪笥の錠前は壊され、その中に入れてあった手文庫の封が切れて、御墨付と短刀は、真っ赤な偽物と変っていたのです。御墨付と見せたのは、どこにでもある小菊二三枚、短刀は、脇差を摺り上げて禿ちょろ鞘に納めた、似も付かぬ偽物だったのでした。

石田清左衛門の驚きは想像も及びません。この東照宮様の御墨付と、公儀に書き上げになっている家宝の郷義弘が無くなれば、間違いもなく安倍家は断絶でしょう、これほどの大事な品を預かって、それを護りおおせなかった清左衛門は、腹を三つ切っても追っつかないことになるのでした。