Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.725 caratteri · 298 schermate
合間合間に風呂も焚かせられ、庭も掃かせられ、ボンヤリ突っ起っていると、使い走りもさせられる調法な男です。
一と通り風呂を見廻った平次は、油障子を開けて外へ出ました。
「ね、親分、ここがその又五郎って、兄貴の家ですぜ」
いつの間にやら、ガラッ八が縋いて来て囁きます。
「風呂場の障子が開けっ放しになっていると、この垣の根からでも流しに立っている人間へ吹矢が届かないことはないでしょう、――吹矢を飛ばした上で、筒を向うへ放り出すと――ちょうどあの辺」
「…………」
「もっとも、ここから五六間あるから、馴れなくちゃ、そんな手際の良いことは出来ねえ。この節は両国あたりの矢場で吹矢を吹かせるから、道楽者には、とんだ吹矢の名人がいますぜ」
「馬鹿ッ、何をつまらねえ事を言うんだ――黙っていろ」
「ヘエ――」
妙にからんだガラッ八の言葉を押えて、平次は垣の外から声を掛けました。
「今日は、又五郎さんは居なさるかい、今日は――」
「何を言やがる――、ここからでも吹矢が届かないことはない――なんて、厭がらせを言やがって一体どいつだ」
飛出したのは、又次郎の兄、田代屋の総領に生れて、やくざ者に身を落した又五郎です。