Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.725 caratteri · 298 schermate
「少し聴きたいことがあるが、――ちょいとそこまで、お顔を」
「ハイ」
平次の後に跟いて、――後に残る兄の容態を気にしながらも五六間路地の外へ出ました。
「福島嘉平太を御存じで?」
「存じているどころではございません。三年前まで、同じ家中でございました」
「何? 同藩?」
「さようでございます」
「岩根半蔵という人は?」
「あの方も同藩でございます」
「それはそれは」
三人とも同藩と聴いて、平次も開いた口が塞がりません。それを気振りにも現さなかった岩根半蔵はどういう考えだったでしょう。
「三年前まで、西国のさる大藩に仕え、福島様は勘定方、私の兄は御金蔵の番人をいたしておりました。――ある晩、風雨に紛れて賊が入り、御金蔵から、新鋳未刻印の小判三千両と御家の重宝二品三品盗み出して逃げうせ、そのため、盗賊詮議という名義で、福島様も私の兄も永の暇となりました」
「…………」
「兄は福島様を疑い、福島様は兄を疑い、二人は力を併せて、盗賊を詮議する気もなく、互に跡をつけ跡をつけられて、当江戸表へ参り、御当所狸穴に住み付いて、お互に見張っております。御金蔵の鍵は三つ、一つは殿御手筥に、一つは福島様御手許に、一つは兄が持っておりましたので、お互に疑い合い、見張り合うのも無理はなかったのでございます」