Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(三)酒屋火事
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.725 caratteri · 298 schermate
「解ってるよ。新造が来ると眼の色を変えて、そんな岡っ引はないぜ」
平次は大した期待もしない心持で、お静を相手に、しょんぼりと待っているお町の前へ出ました。
「お町さん、何か用事があるそうだね」
何という冷たい調子でしょう。
「親分さん、仲吉さんを助けて下さい。あの方は私の家へ火なんか放けるような、そんな方じゃございません」
娘の生一本さ。平次の膝にでも縋りつきたい様子です。
「そうかも知れないが、証拠がなきゃどうすることも出来ない。あの晩仲吉がどこで何をしたか、それが解らなきゃ助けようはないぜ」
「…………」
「あの晩仲吉は隣町の稽古所へ行くと言って、三河町の家は出たそうだが、稽古所へは宵のうちにほんのちょいと顔を出したきり、それから夜中頃帰るまで、どこにいたか誰も知らない」
「…………」
「その前、松永町の小熊屋が焼けた晩も、浜町の大黒屋の焼けた晩も、稽古所へ行くと言って出たそうだが、稽古所からはやはり宵のうちに帰っている。その上あの晩、三村屋の裏で仲吉を見掛けた者もあるし、翌る日仲吉は、焼跡から放火道具を拾って、人目に隠れて焼き捨てている――これじゃ免れようはない」