Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(三)酒屋火事

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控(三)酒屋火事 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 146.725 caratteri · 298 schermate

Aozora Bunko

諦められそうもない様子ですが、平次は静かに点頭きました。

「私の家はもう妹のお辰に従兄弟の吉五郎を婿に取って継ぎ、私が死んでも何不自由なくやっております。――今さら、千之助が生きているぞ――と名乗って出たところで、この顔では急に本当にしてくれそうもございません。気違い扱いにして追っ払われるのが精々、もっとも、大島通いの御用船やら、あちらの漁師村人に訊けば、私が千之助の変り果てた脱け殻だということも解りましょうが、そんな事をする前に、私は、自分の敵が討ちたかったのでございます」

「…………」

「江の島で崖から私を突き落したのは一緒に泊っていた、従兄弟の吉五郎と丸屋の長次郎と、番頭の要助と、この三人のうちの一人に違いございません。吉五郎は私の身代を継ぎ、長次郎はお新を女房にし、要助はなんか都合の好いことをしたかも知れず、三人三様に、疑えば、疑えるのでございます。あの晩は鼻をつままれても解らないほどの闇で、後ろから人が跟けて来ても、波の音が高いので解るはずもありません。――あとで、この稲葉屋佐七さんに聞くと、私が海の様子を見に出かけてから三人が三人とも、私を捜すんだと言って出たそうですから、疑いは三人の上に一様にかかるわけでございます」