Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate

Aozora Bunko

が欲しいような場合には、納入する責任量を超過した分だけ、立売りすることが黙認されていた。そして、他の土地から魚釣りに来て、不漁をかこちながら帰る客や、単純な遊覧帰りの客たちがあると、それはかなりうまい儲けになるのであった。――私は通りかかって、蛤を売っているのをみつけた。大きな、粒の揃ったみごとな蛤で、バターいためにしたらさぞ美味かろうと思い、近よっていって、それを〇五だけ売ってもらいたいと云った。私はもう一年ちかくも住んでおり、かれらともおよそ顔見知り程度になっていたので、心の片隅ではひとかどの土地者であるような誇りを持っていた。そのうえ私のまえに、どこかのかみさんがやはり〇五だけ買ったところ、一斗桝くらいの桶一杯分を渡したのを見ていたから、もし私にもそんなに呉れるようなら、三分の一程度だけ受取ることにしよう、などと、おうようなことさえ考えていたのであるが、それらの予想や期待はあっさりとくつがえされてしまった。

「蒸気河岸の先生だね」とその中年の漁師は私を見あげた眼をすぼめた、「――この蛤を欲しいだかえ」

彼は自分の眼にあらわれる狡猾さと、顔つきが貪欲になるのをごまかすために、自分がいかにも無力な、悲しい男であるかのような表情を作った。