Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate

Aozora Bunko

「そうさな」彼は蛤の一つを取って、それをじっと凝視した、「――売ってもいいだよ、売るためにこうやって並べてるだからな、売ってもいいだが」

私は辛抱づよく待った。彼はその一つの蛤を丹念にしらべてから、やおら、すぼめた眼で私を見あげた。

「幾ら欲しいだね」と彼は云った。

私は必要な額を答えた。

彼は梅干を舐めたような顔つきで、蛤を六個だけ選び分けた。数は正確にいって六個、しかもその一つ一つを、まるで真珠でもはいっていはしないかと疑うように、精密に、入念にしらべたうえ、選び分けたのであった。

「蒸気河岸の先生だからな」と彼は自分の情の脆さに自分ではらを立てたように云った、「――しょあんめえ、まけとくだよ」

私は少年たちの顔つきの変化を見て、そのときのことを思いだしたのであった。

「売んか、な」と少年の一人がなかまに云った、「売んべや、な、かんぷり」

かんぷりと呼ばれた少年は洟を啜り、上わ眼づかいに私を見、またバケツの中の鮒たちを見た。その少年は船宿「千本」の長の同級生で、背丈が小さく、躯も痩せているが、頭だけが大きく、しかも鉢がひらいていた。かんぷりとはその木槌あたまに付けられた仇名で、つまり「かぶり」