Classici giapponesi con furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
へへえって泳ぎだしただ、――牝鶏だのほかのひよっこはびっくらしたんべがね、家鴨の子はいつかきっと家鴨になるだよ、いまのおらが本当のおらだようになあよ」
平二郎老人の話は以上のようなものであった。
私は「天鉄」で増さんを見かけるたびに、だんだんと親しい気分になり、ちょっとふところに余裕があると、ビール一本とか、酒一本ぐらいを奢ったりした。増さんはわるく遠慮をせず、すなおによろこんで受け、自分の皿にあるてんぷらを「摘んでくれ」と云ってすすめたりした。例の鯊やきすやめごちやくるま蝦などの、頭と尻尾と骨だけのてんぷらである。そのとき私が喰べていたら、林房雄の逆説などには乗らなかったろうと思うが、私はどうしても箸を出す気にはならなかった。――こういうふうにして、親しく口をきくようになってから、私は彼に向って「おかみさんを背負って銭湯へゆくのはたいへんだろうが、見ている者にとってはまことに心あたたまるものだ」というような讃辞を述べた。すると増さんはいっとき眼を伏せ、銀色の短くて太い疎毛の生えた頭を、かすかに左右へ振りながら長い太息をした。
「つまらねえ、あんなことっくれえなんでもねえだよ」