Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate

Aozora Bunko

と答えるということであった。

「おらは看護兵だっただ」と春さんはバスの運転手たちに話していた、「おんだらのめえの兵は看護卒と云ってたようだっけだが」

「やっぱりな」と運転手の一人が云った、「頭がよくなくっちゃ看護兵にゃなれねえってえだが、春さんはそのじぶんから違ってただ、なせ」

「そんなこともねえさ」他の二人が同意を表するまえに春さんが云った、「看護兵なんてのは、ふつうの兵として役に立たねえ者がなると云ってもいいくれえだ」

運転手たちは反対した。病気の兵が多くて手のまわらないときなどには、「軍医の代診もする」と云うから、或る程度以上の切れる頭を持っていなければならない筈である、と運転手たちは云った。春さんが会社の会計主任であり、自分たちがビールを奢ってもらっているから、お世辞を云っているのだ、と疑えるような気配はどこにもなかった。かれらは心から春さんを敬愛し、春さんの頭の明敏なことを、むしろ自分たちの誇りにしているようでさえあった。

「こんなことがあったっけだ」春さんはかれらの讃辞から身を除けるように云った、「二年兵になった秋ぐち、三連隊でひどくたちの悪い風邪が流行った、なんとかインフルエンザっていったっけ、世間でもずいぶん流行ったが、肺炎を起こして死ぬ者がたくさん出た、なにしろこれが効くっていう薬がねえだから