Classici giapponesi con furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
、病人の躯にもちこたえる力があるかどうかで勝負がきまる、っていうあんべえのもんだっただ」
「注射してもだめだかい」
「せえぜえ強心剤を打つくれえだっけだ」と春さんは答えた、「それはまあとにかく」と彼は話を脇へそらせまいとして続けた、「おらがいまでも覚えてることを話すべえ、まあ飲みながら聞いてくれ」
「飲むこたあ忘れねえだよ」と運転手の一人が云った、「尤もおらあビールよりもちゅうのほうがいいけどな」
「その病気の兵隊の中に」と春さんは構わずに云った、「島田っていう初年兵がいただ、うちは慥か能登のほうだった、佐渡かもしれねえ、もう忘れちまっただが、相撲のように頑丈な躯をした男で」
「その」といちばん若い運転手が訊いた、「うちが能登か佐渡だとすると、連隊区が違やあしねえかね」
「寄留すればいいだよ、東京で寄留届けをしてあれば寄留地の連隊にへえることもできるだ」と春さんが説明した、「麻布の三連隊ってえばおめえ、全国から入隊志願がわんさと集まったもんさ」
「そうだ」と他の運転手の一人が云った、「三連隊ってえば名誉連隊だからな」
「その島田ってえ初年兵は」と春さんはいそいでその話題からぬけ出した、「衛戍病院へへえるとまもなく重態になった、軍医はもうだめだからって、隊では親元へ電報を打つと、島田のおふくろと妹が駆けつけて来た」