Classici giapponesi con furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
「まにあっただかい」
「軍医はまにあうまいと云った、おらあ当番だったが、おらもこのようすじゃあまにあうめえと思っただ」と春さんが云った、「それがなんのおめえ、おふくろと妹が着くまっでちゃんと持ちこてえたし、それからも持ちこてえ続けただ」
「すると、治っただな」
「重態のまんまさ」と春さんは云った、「もうだめか、いま死ぬかっていう危篤状態でいて、それがいっかな死なねえだ」
「肝煎っちゃうな」
「それどころの沙汰じゃねえさ、軍医は投げちまって寄りつきもしねえ、ほかにも患者は大勢あるってえのに、おらあ島田初年兵からはなれることができねえ」春さんは白い歯を見せ、肩をすくめて当惑の気持を示した、「――なぜかってえば、島田はいまにも死にそうな重態が続いているから、ときどき強心剤の注射をしなけりゃあなんねえし、息を引取るときに隊の者が付いていなかったとなれば、軍の責任問題になる勘定だべえさ、なせ」
「そうだな」三人の中では年嵩らしい、二十八九になる運転手が、考えこんだような口ぶりで云った、「軍縮からこっち、赤の野郎がいばりけえってのさばってるし、軍としても、国民感情にゃあ気を病まねえばなんねえだからな、おらあ軍縮にゃあてんから反対なんだ、仮にもおめえ国家てえものがあるのによ」