Classici giapponesi con furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
幾たびか根戸川亭へゆくあいだに、私は悲しい現実を見なければならなかった。幾たびかといったが、私の経済でそうしばしばゆくことはできない。月に二度か三度くらいだったか、あるいは一度か二度くらいだったかもしれないと思うが、――留さんはもう気前よくなかまを奢るようなことはなく、お秀が客の相手をするあいだ付いていて、ビールや酒を取りにいったり、注文される肴や、洋食の皿を運んだりするのであった。
「留公、ビールだよ」とお秀はしゃがれ声でどなる、「さっさとしねえのかい、のろのろもたついてるんじゃねえよ、わかったかい」
「メンチボールつったろう、留」とお秀は眼を三角にしてねめつける、「なんだいこりゃあ、コロッケじゃねえか、まぬけだねえ取っ替えといで」
客がそれでいいと云う。お秀は耳も貸さずにどなりつける、「コロッケはメンチボールじゃねえんだよ、いいえうっちゃっといて下さいよ、性をつけないと懲りないんだから、早く立たねえのかい」
「そんなにがみがみ云ったって、おめえ」と留さんは中腰のまま悲しげに女を見る、「こうやって出来ちまったものを、おめえ、いまさら取っ替えられやしねえと思うがなあ」