Classici giapponesi con furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
「そんならその分はおめえが払いな」とお秀は云う、「てめえでまちげえたんだからね、早くいってメンチボールをそいって来な、お、そのコロッケは置いてっていいよ、片づけるだけはおらが片づけてやっから、払いはおめえだよ、いいかえ」
留さんは「ああ」と云って立ってゆく。
「ほんとにまぬけでのろまで」とお秀は舌打ちをする、いかにも癇に障るといったような舌打ちである、「あれでよく通船が飼っとくもんだ、呆れ返って屁も出あしねえよ」
私はその女を憎んだ。
――どういうわけだ、留さん。
そんな女にどうしてこき使われているんだ。横っ面をはりとばすか、蹴倒してやるか、唾でも吐きかけてやればいいじゃないか、男じゃないか留さん、と私は心の中で叫んだ。そのとき私は、怒りのために躯がふるえたのをいまでも覚えている。だが、と私は自分を抑えるために反省した。
――あの女は世間からいためつけられて来たのだ。
どんな事情かはわからないが、若いころから身を売り、色街を転々として、「八兵衛」にまで落ち、ねんがあけるまで身受けをする客もなかった。しかも、ねんがあけて約束した男を頼って来れば、その男にはほかに女があり、彼女の預けた荷物もろとも逃げてしまった。