Classici giapponesi con furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
トンネルと鉄橋とは対象が違うなどというような、論理にこだわる人は浦粕へゆかれるがよい。この町の住民たちは独特の論理をもってい、(それは多く権威を嘲弄するという観念が基本になっているのだが)トンネルと鉄橋どころか、小学校の或る先生の話をするのに、「二つ」の毀れた水門を引合に出す、くらいはごくあたりまえなことであった。何十年かまえ、――この話はちょっと眉唾ものだが、おそろしく学問のある、気位の高い村長(当時は「村」だったのである)がいた。実際おそろしいほど学問があるために、村の住民たちのことなどおけらほどにも思っていなかった。すると或るとき、消防の組頭だった徳さんが、なかまの者にこう囁いた。
――あの村長はちんばだぞ。
なかまは「へえ」と眼をみはった。
――おらにゃあそうは見えねえがね。
すると徳さんが云った。
――世の中にゃ見えるちんばもあれば見えねえちんばもあるさ。
浦粕の風習として、こういう評が弘まるのに日時はかからない。たちまちこれが全村民に伝わった結果、その気位の高い村長は、ついにちんばをひいて歩くようになった、ということであった。
芳爺さんが青べかを届けて来た日の、午後おそく、机に向っていた私の耳に、子供たちの喚声が聞えて来た。