Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
それは根戸川堤のほうからであり、洗い場でわきあがっていることがよくわかった。かれらは罵り叫び、笑いあい、そのあいだに石を投げつけるような音がし、囃したて、どなりあっていた。――私はペンを持ったまま、じっとそれを聞いていた。関門なのだ、と私は思った。天然痘にかからないためには種痘をしなければならない、あばた面になる代りとして、腕の一部分にメスを入れられるのだ。メスを入れられる痛さは瞬間的なものであり、瘡痕のかさぶたが取れるまでもさして時日はかからない。さしずめこれは種痘のようなものだ、と私は自分に云い含めた。
そのうちに堤のほうからこっちへ走って来る者があり、窓の外へ来て「先生いっか」と長が呼びかけた。
「いってみせえま」と長が昂奮した声でどなった、「やつら青べかをぶっくらわしてるだ、あれが聞えねえだかい」
私は答えた。
「そんなこと云わねえで来せえま」と長はじれた、「おんだらが止めてもやつらききゃあしねえだ、ひっくら返すって云ってるだよ」
私はまた答えた。
「じゃあ知らねえぞ」と長は怒ってどなった、「おら知らねえから、いいか」
私が答えると、長は走り去っていった。