Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate

Aozora Bunko

のことを父に話した。

「おめえにも肝煎るだな」と温厚な父親は云った、「そんな砂ぐれえ、一丈も積んだわけじゃあるめえし、なぜ蹴っぱらってへえっていかなかっただ」

「お父つぁんは見ないからわからないが」と五郎さんは答えた、「寝床のまわりへぐるっと、砂を撒くところを見てみな、呪禁でもされてるみたいでそりゃあ凄いもんだから」

父親は想像してみたが、少しも凄いような感じはしなかった。

「砂ぐれえがなんだ、砂が恐ろしくって海へいけっか」と父親は云った、「喪があけても砂を撒いたのは、おめえが蹴っぱらってへえって来るのを待っていたということだ、そのくれえの察しはつくべえじゃねえかええ」

五郎さんは黙った。

事情を聞いた父親は、すぐに嫁を捜し始めた。早くあとを貰って、篠咲をみかえしてやらなければ、五郎さんばかりでなく「みその」の看板にもかかわる、と思ったからだ。

だが特報は第一級であり、根深く、広範囲に拡まっていた。「幟もおっ立たない」ような息子に、嫁を遣ろうという親はなかった。このあいだに、五郎さんは五郎さんで友人たちとやりあい、ごろさんの話が事実なら、男として役立つかどうかためしてみよう、ということになり、かれらは五郎さんを伴れだして、東京のさる華やかな一画へ押しあがった。