Classici giapponesi con furigana
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
彼女はいつも垢だらけで、近くへ寄るとひどく臭かった。それにもかかわらず、彼女の躯の一部は信じられないほど美しかったのだ。両の内股は少女期をぬけようとするふくらみをみせていた。両股のなめらかな肌が合って、臀部へと続く小さな谷間は、極めて新鮮に色づいていたし、膝がしらから踵へとながれる脛の内側も、すんなりと白くまるみをもっていた。それは、成長しつつあるものだけがもつ神聖な美しさ、と云うべきもので、たとえどのようにあからさまになったとしても、決してみだらな感じは与えなかったであろう。ほんの一瞬間ではあったが、私はその美しさに深く感動した。
そのまえの年、お繁は妹と二人で両親に捨てられた。妹は生れてから百日くらいしか経っていなかった。
お繁の父は源太といい、釣舟の船頭であった。源太は鱸釣りの名人で、どんな漁師も鱸釣りでは彼にかなわなかった。或る年のこと某県の知事が来て、源太の舟で鱸釣りをした。知事はもと某省の大臣であり、魚釣りと俳句がうまいので知られていたが、一度で源太が好きになり、機械船――発動機を備えた釣舟――を買って与えた。源太がいかに鱸釣りの名人だったかということを、適切にあらわす言葉があった。