Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Leggi 青べか物語 (あおべかものがたり) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 160.961 caratteri · 317 schermate
「さあて」と彼は釣りにでかけるときに云う、「鱸を拾いにいくべえか」
機械船を持てば自分でしょうばいができる。それまで彼は「松島」という船宿に属していたが、初めて独立し、客もかなり付いた。裏長屋に住んでいるので、まだ船宿の経営はできなかったが、どうやら二年も経てばその望みが実現しそうに思われた。そのとき、災難が起こった。――或る朝、彼は五番の澪木の沖で釣っていた。霧の深い日で、十メートル先も見えないくらいだったが、その中を一艘の大型機械船がやって来た。それは濃い霧の中を、まっすぐにこちらへ近づいて来る、エキゾスの音が明らかにそれを示していた。
「おーい」と源太は叫んだ、「ここに舟があるぞ、たのむよう」
エキゾスの音で大蝶丸だとわかった。大蝶丸なら安心であった。この辺が釣りの穴場で、いつも釣舟がいるということを、大蝶丸の者なら知っている筈だったから。源太はじっと船の交わるのを待った。けれども先方はまっすぐに近よって来、突然、霧を押しわけるようにして、源太の眼の前にあらわれ、その大きな舳先を源太の機械船の横腹へ突っかけた。
「おい」と源太が叫んだ、「待ってくれ」