Classici giapponesi con furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate
彼はお豊の様に眠り薬を飲まされはしなかった。その厳重に密閉された部屋へ、どこからどうして、あの化物奴、忍び込むことが出来たのであろう。お伽噺の悪魔の様に、突然部屋の中に湧出したとでも考える外はないのだ。何という不気味な悪魔の妖術であったか。
大鳥氏とお豊とが、狐につままれた様な顔をして、ぼんやり佇んでいる所へ、丁度その時帰宅した尾形老人が、アタフタと駈け込んで来た。
「アア、一足おくれました。幸、明智先生の御快諾を得て、御一緒にお出でを願ったのですが、少しの所で間に合いませなんだ。実に残念なことを致しました。併し、お嬢さまには別状もございません様子で」
「アア、不二子はよっぽど疲れていたと見えて、ああしてよく眠っています」
そこで、尾形老人は廊下に待っていた明智を室内に招じ入れて、主人大鳥氏に引合わせた。挨拶が済むと、大鳥氏は明智の為に今夜の出来事を、やや詳しく物語った。そこへ書生の青山も、賊の追跡を断念して戻って来たので、明智は彼に二三不明の点を質問したあとで、意味深い微笑を浮べながら云った。
「すると、黄金仮面が、お嬢さんの声を真似て、青山君にこのドアを開けさせた、という訳ですね」