Classici giapponesi con furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate
それが寝室の薄暗い電燈の下で、向うむきになっていたので、今が今まで、誰も贋物とは気づかなかったのだ。
胴体はと探って見ると、毛布の下に蒲団の丸めたのが横えてある。
「すると、不二子があの……」
大鳥氏は、余りのことに、あいた口が閉がらぬ。
「そうです。ここから逃げ出したのは、本当の黄金仮面ではなくて、賊の面と衣裳を借り受けた大胆な変装姿の不二子さんでした」
明智がニコニコしながら説明した。
「無論お嬢さんの智恵ではありません。凡ては蔭にいる黄金仮面の謀です。彼はお嬢さんに予め金の衣裳とソフト帽子と麻酔薬とピストルとを与えて、家出の入智恵をしたのでしょう。お豊さんが居眠りをしたのは、眠り薬が利いたのです。お嬢さんはその隙に、ベッドにこんな贋首を拵えて置いて、金色の衣裳を身につけ、面をつけ、帽子を冠り、ピストルを持って、ドアをノックしたのです。その時青山君が聞いた声は、正真正銘のお嬢さんの声でした」
アア、何という素敵な手品であったろう。怪賊黄金仮面の、人の意表を突くこと、凡そかくの如くである。
人々は暫くの間、声を呑んで立ちつくした。
「我子ながら、それ程の馬鹿者とは知りませんでした」