Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おうごんかめん

黄金仮面

江戸川 乱歩

Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate

Aozora Bunko

一体あのいまわしい仮装をして来たのは誰でしょう」

「サア、たった今まで、あんな金色の衣裳をつけた人は、一人もいなかった筈ですがね」

人々は、眉をしかめてボソボソと囁き合った。例の黄金仮面からの恐ろしい予告状のことは、ルージェール伯身辺の人々と、警視庁の外には、誰にも知らせてなかったので、それが、若しかしたら、今世間を騒がせている、本当の怪賊ではあるまいかと、疑うものは誰もなかった。皆来客の一人の、人の悪い仮装姿だと信じていた。

そうは信じながらも、あの金色のお能面みたいな、ゾッとする程無表情な顔を見ると、婦人達は申すまでもなく、滑稽なことには、甲冑姿いかめしい男子までが、色を変えて、ジリジリとあとじさりを始めた。

「マスケ・ドル! マスケ・ドル!」

不気味な囁きが、小波の様に舞踏者達の間に拡がって行った。

黄金仮面の人物は、群集のあとじさりの為に広く開かれた通路を、丁度物語の「赤き死の仮面」がしたと同じ様に、ヨロヨロとよろめきながら、部屋から部屋へと歩いて行った。

彼が部屋部屋を通過するに従って、全身を包んだ金色まばゆき大マントが、或は青く、或は紫に、或は橙色に、ギラギラと、夫々の色の焔の様に、美しくも輝いて見えた。