Classici giapponesi con furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate
監視の目は町々村々に充ち満ちている。その中を、一人でもあることか、女連れの上に、普通の自動車には積み切れぬ程の大荷物を持って、(玉虫厨子は上下二つに分けても、極大トランク二箇程の容積は充分ある筈だ。しかも彼の贓品はそれ丈けではない)一体まあ、どこにどう身を隠しているのだろう。実に不思議以上の不思議である。
明智小五郎は、今日も開化アパートの書斎にとじこもり、例の謎の紙片を前にして、思案に暮れていた。大敵ルパンに飜弄され、その上世間からは非難の声をあびせられ、何とも云えぬいらだたしさに悩まされていた。
「白き巨人、白き巨人、白き巨人」
彼はこの不可解な謎の言葉を解く為に、丸四日を費して、未だに何らの曙光をも見出し得ないのだ。彼にしては、生れてから、こんな難物に出会ったのは初めての経験だ。
沈思する彼の前で、卓上電話がけたたましく鳴り響いた。
「アア又波越君に極っている。うるさいな」
波越警部は一日に二度も三度も電話をかけて、明智の出ぬ智恵を借りに来るのだ。
不承不承に受話器を取ると、案に違わずその人であった。だが、警部の声はどこやらいつもとは違っている。