Classici giapponesi con furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate
まるでお伽噺だ」
驚歎した警部が、あきれ返って呟いた。
「大犯罪者はいつもお伽噺を実行するのだよ。まさか『自由の女神』などがルパンの倉庫になっているとは思わぬけれど、ふとそんなことを考えさせる程、奴の魔術は奇怪千万なのだ」
「で、その銀杏の空ろというのは、一体どこにあるのだね」
警部は半信半疑で尋ねる。
「ホラ、あれだ、あすこの森の中の大入道みたいな黒いのがその銀杏だ」
この丘で、大仏に続いて巨大なものは、その銀杏の老樹であった。それ等の二つが、まるで巨人の親子の様に梨地の星空に聳えていた。
「僕はね、君は容易に信じないだろうと思ったのだ。賊を捕えるよりも、先ず君にその大仏の秘密を信じさせる必要があった。それには実際を見て貰う外はないと思ったのだ。……サアここだ。見給え。あの大銀杏の根元を」
降る様な星明りに、老樹の陰が――その根元に開いた大きなうつろが、物の怪の如く浮上って見えた。大仏の胎内への出入口だ。
「サア、この茂みに隠れるのだ、そして、あのうつろを注意しているのだ」
二人はそこにしゃがんで、闇の老樹を見つめた。
どうせしばらくは待たなければなるまいと覚悟していたところが、まるで申合せでもした様に、彼等がそこへしゃがむかしゃがまぬに、早くも銀杏のうつろに蠢くものを見た。