Classici giapponesi con furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate
と、同時代の作、木造塗箔の阿弥陀如来坐像との前に、伯爵は最も長く立止り、垂涎おく能わざる体に見えたことである。
一行は徐々に進んで、二階への階段の下に達した。その階段の裏の三角形の暗所に、ふと見るとハッとおびえないではいられぬ一物がある。比較的新しい時代の、金色燦爛たる、等身大の鍍金仏だ。それが、ほの暗い電燈に、異様な光輝を放って、ニョッキリと突立っているのだ。
美子姫は、美術館へ這入った時から、遠くの隅の、その鍍金仏を、目も離さず見つめていた。黄金の顔、……黄金の衣、……若しやあの仏像は生きているのではないかしら、というギョッとする様な妄想に、彼女はおびえ切っていた。
近づくに従って、その大男程もある仏像が、金箔の内側で、ひそかに、ひそかに、呼吸をしている様にさえ思われる。アア、今にも、今にも、あの柔和な口が、キューッと三日月型に曲って、糸の様な血を吐きながら、ニタニタと笑い出すのではあるまいか。と思うと、ゾーッと総毛立って、いきなり大声でわめきたい衝動を感じるのだ。
父侯爵も、娘程ではないけれど、同じ思いに悩まされていた。彼は鍍金仏の前に近々と顔を寄せ、突き通す様な恐ろしい目で睨みつけていたが、突然、ヒョイと手を出して、仏像の腕を力まかせに掴んで見た。