Classici giapponesi con furigana
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おうごんかめん
黄金仮面
江戸川 乱歩
Leggi 黄金仮面 (おうごんかめん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 143.357 caratteri · 287 schermate
場所は深さの知れぬ湖水の真中だ。泳ぎの出来る者も出来ないものも、色を失って、ワッと異様な叫声を立てた。
「畜生ッ、あいつの罠だ。馬鹿野郎。頓馬。アア、俺は何という間抜けだ」
明智はモジャモジャ延びた髪の毛を掴んでくやしがった。
と、遥かに聞えて来る、賊の高笑い。彼は追手の舟を湖心に近く誘出して置いて、いきなり方向を転換し、湖の東岸へとまっしぐらに走っている。そして、高く手を振りながら、さもさも愉快そうに、カラカラと笑っている。彼は前以って舟の底に仕掛けをして置き、逃出す時に、その栓を抜いて行ったのだ。
追手の一同は、併し、賊の嘲笑を、憤る余裕もない。舟は已に完全に沈んでしまった。
金ピカの肩章いかめしい警察署長も、鬼警部とうたわれた波越氏も、名探偵明智小五郎も、こうなってはみじめだ。彼等は沈み行く舟の舷につかまって、辛うじて水中に身を浮かせ、首ばかりを突出して、哀れな呼吸を続けるのが、精一杯だ。
だがそれも長くは保つまい。水泳の達者な明智は別として、その他の人々は、やがて疲労の極、どの様なことに成行くか、いとも心細い有様である。
名探偵の腹痛
あとになって考えると、誠に滑稽千万な光景であった。