일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しんしょたいこうき

新書太閤記

吉川 英治

吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,758자 · 383화면

아오조라 문고

雨が降ると、雨がもる。風がふくと、壁や梁の土がこぼれる。そうした本堂に、寧子は老母に侍いて住み、僧房のほうには、身内の幼い者や年寄や侍女たちを住まわせていた。また長浜からついて来た家臣やその郎党たちは、附近に小屋を建てたり、部落の農家に分宿したりして、ともあれ二百何人という大家族が、ここに半月以上の、きのうまで予想もしなかった必死の生活を体験していた。

六月始め、本能寺に! ――とあの乱が聞えたときにはもう長浜へも明智軍の急潮を目前に見ていたのである。――何をするまもありようはない。はるか中国にある良人にあてて、妻として、寧子が一書をしたため送ったのが、実にやっとの暇であった。老母を負い、眷族を伴い、家臣を励まし、城をすててのがれ出るにあたっても、もとより持物などは顧みていられなかった。老母の着換えと、良人が君公から拝領した品などを、馬の背に積ませたのがようやくであった。

この場合、誰よりも悲壮な覚悟と大きな責任を「女の道」に感じていたのは、いうまでもなく寧子である。家の留守をあずかり、良人の母に仕え、なお多くの召使を擁している身として、

(どうしたら戦陣にあるわが夫に、妻よ、よくやったと、欣んでもらえるだろうか)――を生命にかけて念じたにちがいない。