후리가나로 읽는 일본 고전
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しんせい
新生
島崎 藤村
島崎 藤村의 新生(しんせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,815자 · 663화면
金をつかって、みじめな思いをするほど厭なものはありませんね。私が国を出て来る時に、『欧羅巴へ行って見ると、自分等は出世したのか落魄しているのか分らない』と言った人も有りましたっけ」
思わず岸本は支那留学生に事寄せて、国を出る時には想像もつかなかったような苦い経験を、日頃の忍耐と憤慨とを泄らそうとした。彼はパスツウルの近くに画室住居する岡や牧野や小竹のことなぞを考える度に、淫売婦や裏店のかみさんのような人達と同じ屋根の下に画作することを胸に浮べて、あの連中の実際の境遇を憐まずにはいられなかった。自由、博愛、平等を標語とするこの国には極く富んだものと極く貧しいものとが有るだけで、自分の郷国にあるような中位で快適な生活はないのかとさえ疑った。
朝に晩に旅の思いを比べ合う高瀬のような話相手を得て見ると、岸本は名状しがたい心持が自分ばかりの感じているものでもないことを知った。屋外へ歩き廻りに行く折などには、彼は町の附近に見つけて置いた自分の好きな場所へよく高瀬を誘って行った。天文台の裏手にあたる静かな並木の続いた道へ。ルュキサンブウルの美術館の裏手にある薔薇園へ。