후리가나로 읽는 일본 고전
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しんせい
新生
島崎 藤村
島崎 藤村의 新生(しんせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,815자 · 663화면
六十七
六十七
岡は今更のように岸本の部屋を眺め廻した。壁紙で貼りつめた壁の上には古めかしく大きな銅版画の額が掛っていた。「ソクラテスの死」と題してあって、あの哲学者の最後をあらわした図であったが、セエヌの河岸通りの古道具屋あたりに見つけるものと大して相違の無いような、仏蘭西風の銅版画としては極く有りふれたものであった。岸本が一年近い旅寝の寝台はその額の掛った壁によせて置いてあった。
「この部屋に掛っている額と、岸本さんとは、何の関係があるんです――」
岡は画家らしいことを言って、ロココという建築の様式が流行った時代のことでも聯想させるような古い版画を眺めた。
「ここの下宿のおかみさんが、あれでも自慢に掛けてくれたんでさ」と岸本が言った。
「ああいうものが掛っていても、岸本さんは気に成りませんかね」
「この節は君、別に気にも成らなくなりましたよ。有っても無くても僕に取っては同じことでさ。旅では君、仕方が無いからね」
国に居た頃から見ると岸本はずっと簡単な生活に慣れて来た。巴里に着いたばかりの頃は外国風の旅館や下宿の殺風景に呆れて、誰も自分の机の上を片付けてくれる人もないのか、とよくそんな嘆息をしたものであったが、次第に万事人手を借りずに済ませるように成った。