후리가나로 읽는 일본 고전
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しんせい
新生
島崎 藤村
島崎 藤村의 新生(しんせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,815자 · 663화면
百二十九
しかし、お伽話の無い生活ほど、寂しい生活は無い。彼は最早自分の情熱を寄すべき人にも逢わず仕舞に、この世を歩いて行く旅人であろうかと自分の身を思って見た。そう考えた時は寂しかった。
その晩、岸本は遅く部屋の寝台に上った。枕に就く前にも、床の上に半ば身を起していて、若い時分の友達のことや、自分の青年時代のことを思い出した。あの早くこの世を去った青木に別れた時から数えると、やがて二十年近くも余計に生き延びた自分の生涯を胸に浮べて見た。彼は唯持って生れたままの幼い心でその日まで動いて来たと考えていた。気がついて見ると、どうやらその心も失われかけていた。
「そうだ。何よりも先ず自分は幼い心に立ち帰らねば成らない」
と言って見た。旅に来てその晩ほど、彼は自分の若かった日の心持に帰って行ったことは無かった。
百二十九
頑な岸本の心にも漸くある転機が萌した。もし国の方へ帰らないことに方針を定め、全然知らない人の中へ踏込んで行こうとするには、この戦時に際してどういう道が彼の前にあったろう。今は十八歳から四十八九歳までの仏蘭西人が国難に赴いている。学芸に携わるものでも、ビヨンクウルの書記のように自転車隊附として働いているものがあり、ラペエの詩人のように輸送用の自動車に乗って働いているものもある。