후리가나로 읽는 일본 고전
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しんせい
新生
島崎 藤村
島崎 藤村의 新生(しんせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,815자 · 663화면
十
町中に続いた家々の見える硝子戸の方へ行って遊んでいた泉太はやがて復た階下へ降りて行った。岸本は六年の間の仕事場であった自分の書斎を眺め廻した。曾ては彼の胸の血潮を湧き立たせるようにした幾多の愛読書が、さながら欠びをする静物のように、一ぱいに塵埃の溜った書棚の中に並んでいた。その時岸本はある舞台の上で見た近代劇の年老いた主人公をふと胸に浮べた。その主人公の許へ洋琴を弾いて聞かせるだけの役目で雇われて通って来る若い娘を胸に浮べた。生気のあふれた娘の指先から流れて来るメロディを聞こうが為めには、劇の主人公は毎月金を払ったのだ。そして老年の悲哀と寂寞とを慰めようとしたのだ。岸本は劇の主人公に自分を比べて見た。時には静かな三味線の音でも聞くだけのことを心やりとして酒のある水辺の座敷へ呼んで見る若草のような人達や、それから若い時代の娘の心で自分の家に来ているというだけでも慰めになる節子をあの劇中の娘に比べて見た。三年の独身は、漸く四十の声を聞いたばかりで早老人の心を味わせた。それを考えた時は、岸本は忌々しく思った。
十
屋外の方で聞える子供の泣き声は岸本の沈思を破った。