후리가나로 읽는 일본 고전
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よあけまえ
夜明け前
島崎 藤村
島崎 藤村의 夜明け前(よあけまえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 205,629자 · 408화면
寛永十年以来の厳禁とされた五百石以上の大船を造ることも許されて、海はもはや事実において解放されている。遠い昔の航海者の夢は、二百何十年の長い鎖国の後に、また生き還るような新しい機運に向かって来ている。
寛斎がこの出稼ぎに来たころは六十に近かった。田舎医者としての彼の漢方で治療の届くかぎりどんな患者でも診ないことはなかったが、中にも眼科を得意にし、中津川の町よりも近在回りを主にして、病家から頼まれれば峠越しに馬籠へも行き、三留野へも行き、蘭、広瀬から清内路の奥までも行き、余暇さえあれば本を読み、弟子を教えた。学問のある奇人のように言われて来たこの寛斎が医者の玄関も中津川では張り切れなくなったと言って、信州飯田の在に隠退しようと考えるようになったのも、つい最近のことである。今度一緒に来た万屋の主人は日ごろ彼が世話になる病院先のことであり、生糸売り込みもよほどの高に上ろうとの見込みから、彼の力にできるだけの手伝いもして、その利得を分けてもらうという約束で来ている。彼ももう年をとって、何かにつけて心細かった。最後の「隠れ家」に余生を送るよりほかの願いもなかった。