후리가나로 읽는 일본 고전
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ひがんすぎまで
彼岸過迄
夏目 漱石의 彼岸過迄(ひがんすぎまで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,333자 · 385화면
十
十
彼はこの日必要な会見を都合よく済ました後、新らしく築地に世帯を持った友人の所へ廻って、須永と彼の従妹とそれから彼の叔父に当る田口とを想像の糸で巧みに継ぎ合せつつある一部始終を御馳走に、晩まで話し込む気でいたのである。けれども田口の門を出て日比谷公園の傍に立った彼の頭には、そんな余裕はさらになかった。後姿を見ただけではあるが、在所をすでに突き留めて、今その人の家を尋ねたのだという陽気な心持は固よりなかった。位置を求めにここまで来たという自覚はなおなかった。彼はただ屈辱を感じた結果として、腹を立てていただけである。そうして自分を田口のような男に紹介した須永こそこの取扱に対して当然責任を負わなくてはならないと感じていた。彼は帰りがけに須永の所へ寄って、逐一顛末を話した上、存分文句を並べてやろうと考えた。それでまた電車に乗って一直線に小川町まで引返して来た。時計を見ると、二時にはまだ二十分ほど間があった。須永の家の前へ来て、わざと往来から須永須永と二声ばかり呼んで見たが、いるのかいないのか二階の障子は立て切ったままついに開かなかった。もっとも彼は体裁家で、平生からこういう呼び出し方を田舎者らしいといって厭がっていたのだから、聞こえても知らん顔をしているのではなかろうかと思って、敬太郎は正式に玄関の格子口へかかっ