일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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ひがんすぎまで

彼岸過迄

夏目 漱石

夏目 漱石의 彼岸過迄(ひがんすぎまで)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 195,333자 · 385화면

아오조라 문고

六

「名前も全く分りません」

田口はこの答を聞いて、手焙の胴に当てた手を動かしながら、拍子を取るように、指先で桐の縁を敲き始めた。それをしばらくくり返した後で、「どうしたんだか余まり要領を得ませんね」と云ったが、直言葉を継いで、「しかしあなたは正直だ。そこがあなたの美点だろう。分らない事を分ったように報告するよりもよっぽど好いかも知れない。まあ買えばそこを買うんですね」と笑い出した。敬太郎は自分の観察が、はたして実用に向かなかったのを発見して、多少わが迂闊に恥じ入る気も起ったが、しかしわずか二三時間の注意と忍耐と推測では、たとい自分より十層倍行き届いた人間に代理を頼んだところで、田口を満足させるような結果は得られる訳のものでないと固く信じていたから、この評価に対してそれほどの苦痛も感じなかった。その代り正直と賞められた事も大した嬉しさにはならなかった。このくらいの正直さ加減は全くの世間並に過ぎないと彼には見えたからである。

六

敬太郎は先刻から頭の上らない田口の前で、たった一言で好いから、思い切った自分の腹をずばりと云って見たいと考えていたが、ここで云わなければもう云う機会はあるまいという気がこの時ふと萌した。