일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 探偵夜話(たんていやわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 140,363자 · 277화면

아오조라 문고

佐山君の支店ではこれまで商売上のことで、向田大尉には特別の世話になっていた。ことに平素から評判のよかった人だけに、突然ここを立ち去ると聞いて、誰もかれも今さら名残り惜しいようにも思った。

支店長は相当の餞別を持って、向田大尉の自宅をたずねた。そうして、むろん司令部からも手伝いの者が来るであろうが、出発前に何かの用事があれば遠慮なく言い付けてくれと言い置いて帰った。その翌日、支店長の命令で、佐山君とほかに一人の店員が大尉の家へ顔を出すと、家じゅうは殆んどもう綺麗に片付いていた。大尉は細君と女中との三人暮らしで、別に大した荷物もないらしかった。

「やあ、わざわざ御苦労。なに、こんな小さな家だから、なんにも片付けるほどの家財もない。」

大尉は笑いながら二人を茶の間に通した。全体が五間ばかりで、家じゅうが殆んど見通しという狭い家の座敷には、それでも菰包みの荷物や、大きいカバンや、軍用行李などがいっぱいに置き列べてあった。

「皆さんにも折角お馴染みになりましたのに、急にこんなことになりまして……。」と、細君は自分で茶や菓子などを運んで来た。

細君の暗い顔が佐山君の注意をひいた。