일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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たんていやわ

探偵夜話

岡本 綺堂

岡本 綺堂의 探偵夜話(たんていやわ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 140,363자 · 277화면

아오조라 문고

二

かれは母から今夜の話を聞かされても、別に気にも留めないらしかった。前にもいった通り、人力車に突き当たったり轢かれたりするのは珍らしくもなかったからである。

二

溝口医師の車にひかれた娘は、幸いにたいした怪我でもなかった。ひき倒されて転んだときに、左の臂と左の足とをすりむいただけのことで、出血の多かった割合に傷は浅かったので、溝口もまず安心した。

あくる日一日は無理に寝かしておいたが、娘は次の日から跛足をひきながら起きた。しかし彼女はここを立ち去ろうともしないで、そのままこの家に居据っていることになった。というのは、彼女は帰るべき家を持たないからであった。溝口医師の家は久住弥太郎という旗本の屋敷で、かのむすめはその用人を勤めていた箕部五兵衛の子で、その名をお筆というのであると自分の口から話した。幕府が瓦解の後、久住は無禄移住をねがい出て、旧主君にしたがって駿府(静岡)へ行ったので、陪臣の箕部もまたその主君にしたがって駿府へ移ったが、もとより無禄というのであるから、どの人もなにかの職業を求めなければならない。箕部の一家も手内職などをしてわずかにその日を送っているうちに、お筆の母がまずこの世を去り、つづいて父の五兵衛も死んだので、ことし十七のお筆は途方にくれた。