후리가나로 읽는 일본 고전
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しんしょたいこうき
新書太閤記
吉川 英治
吉川 英治의 新書太閤記(しんしょたいこうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 192,758자 · 383화면
あすは早朝この山奥を引払って、ふたたび敵手から奪り返した長浜城へ帰る――というので、老いたるはいうまでもなく、女子供も嬉々として寝つかれないほどだった。
「あすは早いぞ。早起きだぞよ」
子をたしなめつつ、親たちは寺域の中のお小屋へもどった。大吉寺の御堂も早目に燭を消していた。老母は、聖観音の前に臥し、秀吉夫婦は、聖観音の御背にある内陣裡の一房にやすんだ。梓川の渓谷の音と、ほととぎすの声が、夜もすがら聞えていた。
短夜もまだ明けぬうちから身支度や馬の用意に大吉寺は騒めいていた。長浜落ちのとき何もかも捨てて来たので、帰る日にも荷物は少ない。
秀吉は、寺へは寺領を寄進し、村長へは、村一同への恩賞を下げ渡して出発した。列伍は長々とつづいて行く。母堂は急づくりの山駕へ乗せられ、秀吉夫婦が側へついていた。
白い霧の海に、旭が映じている。梓川の渓谷に沿うて、道は狭くなってくる。騎馬の士は馬を降りて馬を曳いた。嶮しさに馬も耐えないのである。
駕も楽ではない。秀吉は老母の辛抱を察して、
「母上。お辛うございましょう。ちとお休みなされては」
と駕の外で、しばらく休息させてから、自分の背を向けた。