후리가나로 읽는 일본 고전
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しんせい
新生
島崎 藤村
島崎 藤村의 新生(しんせい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 334,815자 · 663화면
そして地を踏んで行く車夫の足音や、時々車夫の鳴らす鈴の音や、橋の上へさしかかる度に特に響ける車輪の音を母衣の内で聞いて行った。大きな都会の夜らしい町々の灯が母衣の硝子に映ったり消えたりした。幾つとなく橋を渡る音もした。彼はめったに行かない町の方へ揺られて行くことを感じた。
元園町の友人は一人の客と一緒に、岸本の知らない家で彼を待受けていた。そこには電燈のかがやきがあった。酒の香気も座敷に満ちていた。岸本のために膳部までが既に用意して置いてあった。元園町は客を相手に、さかんに談したり飲んだりしているところであった。
「岸本君、今夜は大いに飲もうじゃ有りませんか」
と元園町が眉をあげて言った。岸本は元園町から差された盃を受ける間もなく、日頃懇意にする客の方からも盃を受けた。
「今夜は岸本さんを一つ酔わせなければいけない」
とその客も言って、復た岸本の方へ別の盃を差した。
「ねえ、君」と元園町は客の方を見ながら、「僕なぞが、どれほど岸本君を思っているか、それを岸本君は知らないでいる」
「まあ、一つ頂きましょう」と客は岸本からの返盃を催促するように言った。
耳に聞く友人等の笑声、眼に見る華やかな電燈の灯影は、それらのものは岸本が心中の悲痛と混合った。