후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 167,285자 · 330화면
兵部が一ノ関へ去ってから、数日して、原田甲斐が江戸から到着した。甲斐は船岡の館へは寄らず、まっすぐに仙台へ来た。仙台の屋敷は大町一丁目西ノ南側で、広瀬川を前にした断崖の上にあった。――左に飯坂出雲、右に奥山大学の屋敷があり、奥山家の次が古内源太郎(のちの志摩)その次に茂庭周防の屋敷があった。
仙台へ着いた甲斐は、御霊屋で政宗、忠宗の墓所に詣で、それから登城の礼を済ましたあと、在国の一門一家に帰国の挨拶をして、暫く屋敷にこもった。
船岡からは、家老の片倉隼人と、少年の辻村又之助が来ており、帰国祝いの招宴には、津田玄蕃が周旋をした。これらの規式が終った翌日の朝、まだほの暗い時刻に、甲斐は釣り道具を持って、一人で、前の広瀬川へでかけていった。
門前の道を横切ると、断崖の岩を削って、川へおりる踏段があった。踏段の右には、樹齢二百年ほどの樫があり、高さ十五尺ほどのところで切られているため、幹は太くてずんぐりしており、細い枝が幾十本となく、川のほうへと伸びていた。――幹の上を切ったのは、育ちすぎると、断崖に張った根が、それを支えきれなくなるからで、そのずんぐりした不恰好なすがたは、甲斐にとって馴染のふかいものであった。