후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
黒島 伝治의 武装せる市街(ぶそうせるしがい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 115,959자 · 234화면
小路の奥の、石塀の中の一ツの家では、すゞが、安物の手ミシンにむかって、ドレスを縫ったり、ほぐしたり、また縫ったりやっていた。真直に、平行に行かない縫目が彼女に気に入らないのだ。
天むきの鼻の一郎は、顔じゅうが眼ばかりのように見える。眼が大きく光っていた。去んだトシ子そっくりだ。彼は、俊のそばに這いよった。俊がよんでいるビラを小さい手で荒ッぽく引ったくろうとした。
ビラは、蒋介石の出したビラだ。学校の、漢文読本の漢本とも、またいくらかちがう。俊はなかなかそれが読めなかった。
「ま、待ってなさいよ。」
手で掴み取りに来る一郎を彼女は追いやった。玩具の犬をやる。
――国民政府は、この地方に限り、租税を全額免除する。……
一郎は、犬をほうった。そして、また手を拡げて掴みかかってくる。ビラは皺くちゃになる。俊はそれをのばして、またよんだ。
――張作霖、張宗昌、強盗、強姦、売国的………
ふと、一郎は、両手で彼女の手からビラを叩き落してしまった。紙はずた/\になった。まだ、よみさしである。
俊は、それが惜しいとは思わなかった。彼女は、何か考えていた。すゞは、一心に、ミシンに注意を集中している。