후리가나로 읽는 일본 고전
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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
黒島 伝治의 武装せる市街(ぶそうせるしがい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 115,959자 · 234화면
一六
多くの居留民達は、自分達の家とは反対の方向へ列をなして去って行く軍隊を、なつかしげに、いつまでも立って見送っていた。子供達は嬉しげに旗を振りながら、あとにつゞいた。
だが、おとなの居留民達は、出兵請求の決議にかけずりまわり、一ツ一ツ印を集め、懇願書を出して、折角やってきて貰ったなつかしい兵士が、自分達のちっぽけな家とはかけ離れた、工場や銀行の守備に赴くのを、はたして、ペテンにひっかゝったように、憤ろしく、意外に感じなかっただろうか?
一六
三時間の後、工場は、堅固な土嚢塁と、鉄条網と、拒馬によって、武装されてしまった。
機関銃が据えつけられた。カーキ服が番をしている。
黄色の軽はく土は、ポカ/\と掘り起された。
大陸のかくしゃくたる太陽は、市街をも、人間をも、工場をも、すべてを高くから一目でじり/\睨みつけていた。細い、土ほこりが立つ。火事場の暑さだ。
上衣を取った兵士の襦袢は、油汗が背に地図を画いた。土ほこりはその上に黄黒くたまった。じゃり/\する。
「のろくさと、営所に居るように油を取ってはいけない! これは正真正銘の戦時だぞ。」重藤中尉が六角になった眼をじろじろさしてまわった。