후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
と、斜めならぬ機嫌顔で、まず一、二杯のところを手酌で試みる。
「驚いたでしょう、不意に来て」
お蝶は、炬燵向うへフワリと坐って、その蠱惑な姿態を甘えるようにくずしながら、
「私ほんとに困っている事があるの。……で、お願いにやって来たのよ」
「聞いてやろうじゃないか。わしは、人にすがられると、元来が涙ッぽくって、いやと言えない性分でな」
「じゃあ聞いて下さる」
「うむ、どんな事か、話してごらん」
「でも最前、雲霧と四ツ目屋の二人から、私の姿を見つけたら宿へ知らせてくれと言って頼まれた時も、先生はうんと承知していたじゃありませんか」
「ほウ、お前はあれを見ていたのか」
「幕のうしろに立っていて、すっかり話を聞いちゃッたわ」
「そいつはいかん」と先生は毛の薄い頭へ手を乗せましたが、少しもテレる様子はなく、
「だがお蝶さん、それは心配にも及ぶまい。なぜかと言えば、あの雲霧や四ツ目屋の輩には、何の好意をもつ理由もないが、わしは元からお前さんには深い同情をよせておる」
「ほんとに?」と力をこめて――「実はね先生」と言い難そうにもじもじする。
馬春堂は眼を細くして、片手に杯を運び、片手を炬燵の中のお蝶の手へ重ねて、