후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
鼻寺炎上
そして、帯の間からたとうを出しました。櫛を抜いて髪を直し、襟を合せてキチンと帯のうしろをしめる。
はばの広い階段の前に立ちました。そこは本堂と思われますけれど、ほかに、寺僧の居そうな明りも見えないし、どこが庫裡だか方丈だか見当もつかないので、
「今晩は……」
おかしいような気がしましたが、ともかくも、そこに立って、こう訪れてみたのであります。
「……こんばんは」
と、もういちど。
洞然とした伽藍のやみに、高くないお蝶の声が、気味のわるいほど妙な音波をひろげました。しかしいつまでも、返辞もないし、明りの影がうごいて来ません。
「居ないのかしら。……それに、お咲ひとりで留守をしているという尼寺が、こんな大きなお寺なのかね? ……」
立ち迷って、しばらくそこに腰をおろしておりますと、やがて何処かで、ガラリと重い欅戸でもあいたような音がひびきました。
「どなたでござる」
誰か、こういう者があります。
振向いてみると階段の上に、ひとりの法衣の人影が見えますので、
「うかがいますが」
と、お蝶が小腰をかがめました。
「はい」
と、ジロリと見おろしているのは法達の目です。