후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
盆と正月がいっぺんに来た気で、馬春堂はすっかり若返ってしまったようです。今日は顔を剃ろうの湯にはいろうのと、ついうかうか遊び暮して、虎の子にしていた一両は、またたくうちに消えてしまう。
そこで、また三味線堀の空ッ風に幕を張らなければならないかと、少し酔の醒めた顔をしていると、その夕方です。
「もうお金がないんでしょう。いいわ、心配しないで寝ていらッしゃいよ」
こう言って、お蝶はその晩、身支度をして出て行きそうにした。
その身支度を見ていると、いつのまに持って来てあったのか、黒の男小袖に薄木綿の膝行袴を穿き、同じ黒の頭巾を眉深にかぶって大小を差して行く様子ですから、先生も一驚を吃して、
「これこれ、そんな身装で何処へ行くのじゃ」
と、炬燵を飛び出して目をみはりました。
「何処へ?」と、馬春堂が怪しむのを聞き流して、お蝶は男装の上に覆面したおのれの姿をしきりと見廻しておりましたが、
「どう? 似合って?」
と、袖口を胸で合せながら、朱い唇をつぼませて、男らしからぬ媚の眼をする。
思わず釣り込まれて、馬春堂も、
「よく似合うな、そうしていると、路考とか伝九郎とかいう役者絵のようだ」