후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
しかし。
だれが何と言おうと、夜のうちに歩かねば、歩くひまのないお蝶です、どうでも今夜のうちに、此家を出る決心はうごいていません。
何と言っていさめても、思いとまる様子がないので、その強情にあきれたか、遂には、茶屋の婆さんも好意をひっこめて、ではせめて晩の飯でも食べてと、そこへ膳を持ち出してくる。
実は、お蝶はそれもあまりすすまないところなのですが、そうそうこの真っ正直な善人を失望させるのもむごたらしく思えて、
「では、御飯だけいただいて」
言い訳ばかりに、支度のままで箸を収りました。
後で考え合せてみますと、それに彼女の食慾がなかったのも、一つの虫の知らせであったかも知れません。
ちょうど、お蝶がそうしている時刻です。
歩行にたえない月江の体を両方から助け合って、星影川の谷間から中の峠へこころざして来た日本左衛門と先生金右衛門が、ようやくのことで、この茶屋のかすかな灯を数町の先に見たのは。
「もう間がない」
と、二人は月江を励ましていました。
「向うに見える灯が、たしか甘酒茶屋に相違ない。あれまで着けば、どうにも体を休めることも出来るし、都合によっては、麓から医者をよぶ方法もあろう」