후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
「御親切さまに」
「なに、旅では、こんなことはお互いじゃ」
日本左衛門は、この娘の口から、やがて久米之丞のふところから得た夜光の短刀の手がかりを得ようという下心ですが、世なれぬ月江は、ここまで来る間に、まったく親切な浪人もあるものと、今はすべての疑いを去っています。
暗を真っ直ぐに見れば、二、三町としか思えなかった道も、また一つの下りと上りを備えていました。今は気が張っているが、これで向うへ着いたらば、倒れたきりで起き上がることは出来まいと、月江はこの上にもこの後々が思いやられる。
やっと辿りついた中の峠の頂き。
大日岩のほとりに立って、四方を見廻しますならば、夜とはいえ満天をうずむる星の青い光に、遠くは木曾信濃の群山、広くは東方にわたる武蔵野の原、帯と曳く多摩川の長流、あるいは清麗な美姫が蚊帳にかくれたような夜の富士の見られないこともありますまいが、月江は勿論、二人の方にも心にそんなゆとりがないとみえまして、ただまっすぐに、灯のもる家の外に立ちました。
あたりを見廻して、金右衛門がひとり頷きながら、
「茶屋だ、ここが甘酒茶屋に相違ない」
と、小声でつぶやく。