후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
「日本左衛門!」
喉のうちで、こう叫んで、万太郎は一跳足に、煙を払って追いました。
先の影は引ッさげ刀で、庭廊下をドドドドッと駆けだしてゆく。
「おのれッ」
そのうしろへ万太郎が、気いッぱいに斬りつけた抜き打ち。
「あっ!」――というと彼の刀は、青龍刀のような空鳴りをさせて、徳川万太郎そのものの体と共に、相手の肩を越して方丈の庭先へもんどり打って捨てられています。
あやしげな人影を追って、万太郎が奥へ駆けこんだ様子に、釘勘は冷やりとしながら、同じ廊下を韋駄天と飛んで来ますと、その心配もまにあわないで、あッ――というまに、先の相手に、彼は気味よく庭先へ投げ出されている。
松や楓などの庭木にくるまれているため、まだこの一棟には、たいして火が廻っていなかったのが、せめてもの僥倖でした。
万太郎を投げすてた者は、それに見向きもせず、なおすすんで、最後の一室へ馳け込みました。そして、そこの肘掛け窓へ足をかけて、外へ飛ぼうとするところを、釘勘が、
「野郎ッ」
と、たすきに組みつきました。
釘抜きといわれた勘次郎が、うしろから好みをつけて、こう組んで締めた以上は、たとえ日本左衛門でも、めったにこれを振りほどかせはしない――と彼には自信がありました。