후리가나로 읽는 일본 고전
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えどさんごくし
江戸三国志
吉川 英治
吉川 英治의 江戸三国志(えどさんごくし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 577,271자 · 1141화면
「じゃ、お前はこの山にいても、何もかも知っているんですね」
「ええ、何もかも存じております。……ですが、お姫様」
「ヨハン」
「はい」
「さっきから私の事を、お姫様、お姫様なんて呼んでいるけれど、人を茶化すのも好い加減にしておくれね」
「なぜでございますか」
「このお蝶は、ころびばてれんの娘じゃないの、どこにお姫様づらがあるもんじゃない、ホホホホホ……そんな事をいうと、私、真面目になれなくなるわ」
お蝶は、朱い唇へ手をやって笑いました。そして、つるりと寝台からすべり降りると、そこにある、デスクのようなもの、ソファのようなもの、カーテンのようなもの、異国的な部屋のいろを、なつかしそうに眺めまわして、空いている一つの椅子へ、ふわりと腰をかけましたが、ふと、この部屋からうける感じに、亡父のことを思いうかべて、その影のふかい眼もとを、じっと一所に伏せました。
お蝶の沈み込んだ心が読めているように、ヨハンは暫くその静思の時間を与えておいて、おもむろにまた話しかけました。
「私が、お姫様とお呼びするのは当りまえなことでございます。いつか、切支丹屋敷の牢の前でも話しました。