후리가나로 읽는 일본 고전
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たんどくこう
単独行
加藤 文太郎
加藤 文太郎의 単独行(たんどくこう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,799자 · 222화면
しかしまだそれほど寒くないので、その後にくるであろう晴れた日に大部分は哀れにもはかなく消えてしまう。だが十月の半ばにもなって、日本アルプスの谷という谷が緋の衣に包まれると、山の頂きもまた日に日に白さを増してくる。そして十一月には木枯らしが吹き、一荒れごとに淋しい落葉の音もまれに、梢越しにははや雪が見え出してくるし、安曇野の村々には冬篭りの用意ができ、どの家にも暖い炬燵が仕切られてくる。ちょうどそのころ六甲山からも遥か彼方に黒々とした山波を越して真白い「氷ノ山」を見出すことができ、山友達からは今シーズン最初の一滑りを白馬や立山からもたらしてくる。もうこうなると山男の心は日本アルプスのどこかの谷か、山へと飛んでしまって、休暇でも残っていようものなら仕事などまるで手につかないことがある。
夜行列車が木曾福島のあたりを通るころには、山へ入って行く興奮からよく目が覚める。そして天候を気にしながらいつも窓外をすかして見るのであった。こうした何年かの経験によって木曽福島附近が晴れておれば翌日は晴天で、曇っていれば曇り、雪が降っておれば雪であることを知った。これによって見ると天候の変化が殆んどすべて南の方からやってくるのだと想像される。